かもめ亭(離れ)

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【MTG】旧枠モダン、その面白さについて【です】

  
 旧枠モダンとは
 
2016年頃(正確には定かではありません)、有志により考案された「α~スカージまでのエキスパンションに登場し、かつ再録を経験し、公式のモダンリーガルで使用可能」なカードのみでデッキを構築するMTG非公式フォーマットです。
 
 総カード数は201812月現在でおよそ900種類、また禁止カードなどは通常のモダンに準拠しています*「花盛りの夏」など
 
 その魅力とは
 
初出が古いカードということは、MTG25年の歴史の中でも比較的古いタイプの効果やギミックが大半を占めています(再生・プロテクション・露骨な色対策カードなど)。私のように昔MTGに触れていた人間にとってはそのとっつき易さが魅力の一つに感じました。(既知のカードが沢山使用できるというのは嬉しいものです)
 
 また、これらのカードは一部を除き何度か再録をされ流通数が増加したり、新カードやギミックの隆盛により環境から一線を退いたりと、比較的値段の安いカードが多いことが一つの特徴でありセールスポイントだと思っています。(そのあたりは私が主に主催をしている「遊戯王OCGゲートボール(過去制限のカードを用いた遊び)」に近しいものを感じています。)
 
 さらに、過去のカード=弱いと思われてしまうかもしれませんが、各種基本セットやエキスパンションに再録されたこれらのカードは、絶妙にプール内のパワーバランスを創り上げています。(「稲妻」「罠の橋」「フェッチランド」といった構築MTGで頻繁に起用されるカードや、「秘教の処罰者」「獣群の呼び声」「神の怒り」「聖なるメサ」「消えないこだま」といった嘗てのスタンダードで愛用されたカードも数多くあり、往年のプレイヤー諸兄は心が躍るのではないでしょうか。)
 
 また、往年のデッキを再現し、カードプールに倣ってカスタマイズできることも魅力の一つかも知れません。
 
 環境の変遷・多様性
 
 まだ注目すべきポイントはあります、カードプールが狭い=強いアーキタイプが完成するとゲームとしての賞味期限が短い。と考えられた方もいるやもしれません。しかし旧枠モダンの発起人様が主催している”GP”においては未だに特定のデッキが連覇をするといった事態が起きていないのです。
 
 ここに興味深い事象がありました。夏の旧枠モダン大会で準優勝となった【白単ビートダウン】というデッキがあります。白ビートといえば「十字軍」のような全体強化カードを用いた【白ウィニー】がまず連想されると思います。旧枠モダンには十字軍こそ存在しませんが互換とも言える「栄光の唱歌」があり、「サルタリーの僧侶」「白騎士」などのクロック速度増加が見込めます。
 
 これだけならばウィニーの範疇になりますが、準優勝のデッキは「平和な心」「最下層民」「物語の円」「聖なるメサ」と強力なエンチャントをふんだんに盛り込み、「オーラ術師」でアドバンテージを回復できる構成となっていました。

さらに、環境において有力視されていた【ゴブリン】をはじめとする赤系のデッキに強い「革命家チョー=マノ」「まばゆい天使」までメインから起用されており、構築ががっちり固まっていたが故の準優勝だと見て取れました。
 
 ちょうど私と、友人の帝さんがこのフォーマットに興味を持ち、着手を始めたのはこの夏ごろでした。最初に帝さんがこのアーキタイプを触り、強みと弱みを理解しました。秋の”GP”に向けてのデッキ選びも兼ねての練習を続けましたが、赤系デッキのサイドボードから飛んでくる「野火」に常に怯え続けることが判明し、大会での使用は見送りになりました(結果的に私は参加できず、帝さんには私が構築した赤緑ランデス【アングリーハーミット(プールに「錯乱した隠遁者」は存在しません)】を託しました。)
 
 そしてGP当日、【白単】もある程度はいるだろうと思い私もサイドボードに「野火」を仕込んでおきました。帝さんは予選を通過しましたが、ここで彼から一報が届きました。「白単いないですね、誰も持ち込んでない」「!?」 
 
 *ちなみに他のTOP8の方々も「野火」をある程度入れていたようです
 
参加者の方々は見えない【白単】もとい「平地」を対策していましたが見事に空振りに終わりました。カードプールの増加が頻繁ではなく、メタが回転し辛いゲームと思われたこのフォーマットにおいて中々面白い現象です。
 
来る1215日の第5”GP”のメタゲーム・結果が待ち遠しいです。残念ながら私は参加が叶わないため、デッキの調整だけを懇々としております。
 
追記:第5”GP”においてはこれまで辛酸をなめ続けていた青系デッキの躍進が目覚しかったようです。優勝はクラッシク・パーミッション【青白聖なるメサ】、準優勝が火力・テンポに注力した【トリコロール】と、これまでなかなか結果を残せていなかったアーキタイプでした。大会の度に上位デッキの顔ぶれがガラリと変わるのはゲームとしての進化の証だと思います。

さらに、2019年の最初のエキスパンションとなる「ラヴニカの献身」において、往年の名カード「吸収」の再録が発表されました。再録をされたことで旧枠モダンリーガル入りを果たしたので、【青白】勢力に強力なカードが加入します。

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 エモいですね

 終わりに
 
あまり中身のない文章になってしまいましたが、旧枠モダンというフォーマット、本当に面白いです。限定されたカードプールにおいての特異なメタゲーム・戦術・コンボ、おそらくまだまだ未踏の領域があると感じています。嘗て愛好していた皆様、たまには思い出のカードで再びにMTGに身を投じてみてはいかがでしょうか?

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集め出すと止まらない