かもめ亭(離れ)

大地から、大気から、やりがいを摂取しよう!

【久々に】旧枠モダン始めてます【MTGやっています】

*珍しくMTGの話です


私のMTGとの出会いはおよそ20年前、1998年頃まで遡ります。雑誌「コロコロコミック」での読み切りから始まり、現在も人気を博している漫画「デュエルマスターズ」で初めてMTGというものを認知しました。当時小学生だった私は「ポケモンカード」で遊んでおりましたが、この作品を読んでMTGというものに僅かに興味が芽生えました。
 
 しかしながら私の周辺ではこのゲームが流行する兆しがまったくない状態で、小学生の身で友人と遊べないTCGをプレイすることなど不可能な状態でした。TCGというものは最低2名以上を必要とするゲームです、周囲の流行というものは特に若年層にとっては重要な問題であり、私もポケモンカード遊戯王OCGと渡り歩きました。(どちらも中二の時に一度完全に辞めました)
 
 時は2003年、高校に入学しました。高校というものは中学までとは全く異なるものです。小・中学校ともに公立に通っていた私は、クラスの大半の人間がご近所さん。という状態で育ちましたが、高校になると様々な地域から生徒が集まってきます。

周囲が知らない人間ばかりで若干の緊張感を持ったそんな入学当初、出席番号2番・3番の生徒が放課後に机を挟んで何かで遊んでいました。それは紙製のもの、カードゲーム、Magic The Gatheringです。
 
 その2人は中学も違えば特に旧知の仲でもなかったようですが、なんとなく話をしたMTGの話題で意気投合し、カードを持参してプレイする運びとなったようです。忘れかけていた興味を思い出した私はプレイしているところを見せてもらいました。

1人のカードは主に日本語版でなんとなく理解はできました、1人のカードは英語のものばかりでしかも古びたものが多く、テキストなど全くわかりませんでしたが、雰囲気だけでもゲームとしての情景を実感することができました(2番の子は昔米国に住んでいたらしく、アイスエイジやアライアンスのカードを沢山所持していました。土地も全部雪が積もっていました。でも確か英語の成績は良くなかった気がします。

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               これめっちゃ持ってた 

 受験が終わった後、遊戯王OCGも引退しており特に趣味もなかった私はすぐ興味を持ち、MTGを始めようと思いました。が、道のりは決して楽ではありませんでした。MTGを通じて仲良くなった2人に、自分も始めたいということを伝えると、初心者は緑が扱いやすいというアドバイスを貰いました。

また構築済みデッキも色々あるからそこから選ぶといいよ。とも(当時遊戯王OCGでもストラクチャーデッキは数えるほどしかなく、ゲームを始めるに際しデッキをすぐ手に入れられて、且つ選択肢が多いことは嬉しく感じました)
 
 早速次の休日に渋谷のイエローサブマリンへ、餅は餅屋と言いますしカードはカード屋が一番、きっと沢山のカードが販売されていることだろう-そう思っていた15歳の私を待っていたのはイエローサブマリン渋谷店、閉店のお知らせ”(マジです、商品ほとんど何もありませんでした)
*渋谷のイエローサブマリンは渋谷警察署の向かいあたりにありました、ビルもなくなり2018年現在は渋谷ストリームなる施設になっています。
 
 
落胆した私は渋々地元商店街の古本屋へ、小学生の頃遊戯王を買っていたとき横にMTGが置いてあったのできっと今も販売しているだろう-、していました。ブースターパックが何種類かと構築デッキがいくつか陳列されています。
 
今でも鮮明に覚えています、パックはアイスエイジ・クロニクル(デッドストックでしょう)・第七版・オデッセイ・トーメント・ジャッジメントオンスロート・レギオン・スカージ(後に知ることになりますがスカージは当時最新のエキスパンションでした)
 
構築デッキは トーメントの「狂気(黒緑)」「墓所の脅威(青黒)」とジャッジメントの「空襲(青赤)」「痛撃(緑)」が並んでいました。一つを除いて中々優秀なカードが入っているデッキたちです。
 
手持ちの予算は約1500円、構築デッキを一つ買えば終わりです。
 
構築デッキを選ぼう-そう思って箱を手に取る中に何が入っているのか全くわからない箱に描かれているクリーチャーらしきものと蓋部分の色シンボルしか情報がない、そしてよく意味がわからないデッキ名。

現在ならばスマホを即座に取り出してデッキの中身を確認するところですが、03年当時はそんなものはありません。モード上等です。MTGWikiを見るなどそんな知恵があるはずもなく(そもそも当時存在していたかどうかわかりません)、早くも試練の時が訪れます。さながら「ポケットモンスター赤」における開始5分でどのポケモンを選ぼうか悶々としている小学生そのものでした。
 
(ちなみに私は先に始めた友人がヒトカゲを選んだことを聞いていたので迷わずにゼニガメを選びました。25年来の付き合いとなるその友人からは未だに恨み節をぶつけられます。)
 
数分考えた後に「緑がいいぞ」というアドバイスを信じて2種に絞り込みます。そして直感を信じてパッケージに描かれた弱そうなやつ(骨片の斬鬼)ではなくなんか強そうなほう(ナントゥーコの最長老スリス)が描かれた「痛撃」を手に取りました。これが大きな失敗であったことに気づいたのはしばらく後のことです。
 
早速家に帰って開封遊戯王とは違う手触り、独特なインクの匂い。心を躍らせながらスリーブにカードを詰めていきました。ちなみにルールブックがついていなかったため「トランプル」の意味が全くわかりませんでした(フラッシュバック、スレッショルドはなんとなく理解できました)
 
途中で疑問を抱きました。「痛撃」というデッキ、パワーとタフネスが高いクリーチャーが多い・・・いや多すぎる。5G5/5(トランプル)の「巨大イボイノシシ」が4も入っているけれどこれそんなに重要なカードなのか?「ワームの突進」(6GGGFB9GGG)」ってこれそもそも発動できるのか???このときはまだ気づいていませんでした。いや目を背けていたのかもしれません。このデッキがとんでもない地雷だったことに


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   どうやって発動する?
 

次の日、意気揚々と学校にデッキを持参して放課後に対戦を申し込む、ズタズタにされ敗北。そもそも9マナなんて伸びなかった(当たり前だ)。ここから苦難の連続が始まりました、もとい苦難に気づいただけでした。


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「トランプル」とは遊戯王で例えるならば「守備表示モンスターを攻撃したとき、その攻撃力が守備力を超えていれば、その数値分ダメージを与える(アニメの説明が毎回長かった)」所謂貫通能力。確かに地上で殴り合えば効果が期待できる。

そう、”殴り合えば”。現実は「闇への追放」やら「一瞬の平和」で止められたり、プロパガンダで拘束されつつ飛行クリーチャーでペチペチやられたり、「茨の精霊」でさらにパワーの上を行かれたりと散々でした。なあ「巨大イボイノシシ」よ、お前遊戯王に置き換えると「暗黒ドリケラトプス」みたいなものなんだぜ?なぜ踏ん反りかえってデッキに当たり前のように4枚搭載されているんだよ-

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満ちるな

遊戯王
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デッキを改造しよう-少ない小遣いでのやりくりが始まります。幸い学校では公式フォーマットに倣ってプレイしている人間はいなかったのでどんなカードでも使用できました(そもそもフォーマットについても知りませんでした。)。また、私が始めた頃、最初にプレイしていた二人以外にもMTGを持ち込んで遊んでいる人間が増えました(クラスで6名ぐらい)
 
 緑といえば「ラノワールのエルフ」、漫画にも出ていたしまずはこれを集めよう・・・どうやって?350種類もある第7版から当てる?馬鹿言うなよ・・・(カードショップが家の近所にないことがここで大きく圧し掛かります)
 
そんな中、クラスメイトからラノエルを3枚売ってもらえることに、また「怨恨」も譲ってもらいました。さらばイボイノシシ。また、学校から少し遠いところにショップがあると聞き、学校帰りに通いつめ、ストレージから「焦熱の溶岩」や「爆発的成長」など(当時インベイジョンがスタン落ちしていたため在庫が溢れ返っていたようです)を購入し、一月ほどかけてついに【赤緑ステロイド(貧乏)】が完成しました。尚、獣群の呼び声は当時3000円程度しており全く手が出ませんでした。

ステロイド(貧乏)は「痛撃」の1000倍は強いと感じました。マナ加速からの3~4マナ域へのアクセスの速さ、ブロッカーを焼き払う「焦熱の溶岩」「火山の槌」、さらに「怨恨」のパンプアップ、アドバンテージを獲得できる「スカークの匪賊」「ナントゥーコ自警団」とレアカードが少ないながらもここで初めてまともといえるデッキを完成させたのです。ボコボコにされていた友人らにも少しは善戦できるようになりました。
 

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地味だけど重宝したコンビ


そんなある日の昼休み、私のクラスはいつしかデュエル場のようになっていました。いつものように遊んでいると隣のクラスの面識のない生徒から勝負を挑まれます、中学の頃は大会にも出ていたとのこと。意気揚々と貧乏ステロイドを取り出す私。
 
相手のデッキはINV~ODY期の【トレンチコントロール】でした。「ゴブリンの塹壕」「稲妻の天使」「火炎舌のカヴー」「翻弄する魔導師」「嘘か真か」「テフェリーの濠」「預言の稲妻」名前も知らない強力なカードのオンパレードでした。極めつけは昔漫画で見た「神の怒り」
 
 
遊戯王の「ブラックホール」と同じじゃん。とかタカを括っていた私の甘さをクリーチャーごと吹っ飛ばされました。リカバリーが困難すぎる。そして稲妻の天使のタフネス4が硬過ぎる、カヴーの4ダメージも強すぎる、嘘か真か、これ遊戯王かよ。これが大会デッキの力なのか-そして思い知ることになりました。レアな土地はデッキの力を最大限に引き出せるということを-

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正義軍団

かくして貧乏ステロイドはレアもりもり大正義トレンチコントロールに蹂躙されてしまいました、というお話です。本当にありがとうございました。
 
長ったらしい昔話になりましたが私がMTGを始め、今また旧枠モダンというフォーマットを触ることになった動機の一つでもあります。
 
・あの頃高価で手が出なかったカードを使いたい
 ⇒2018年なら「獣群の呼び声」も1枚100円程度!ペインランドもワンコイン!

・昔からなじみのあるカードで遊びたい
⇒「白騎士」「モグの狂信者」「恐怖」「マハモティ・ジン」「怨恨」…各々思い入れのあるカードがあると思います

・限られたカードプールだからこそ輝くカードを見つけたい
⇒「堅牢な防衛隊」「溶岩の猟犬」など、このフォーマットの大会で目覚ましい活躍をするカード群も多々あります

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最近のクリーチャーは強いですな…
 
私はこれらの要素を魅力に感じ、旧枠モダンを始めました。導入にそれほど多くの資金を必要とせず、押入れに眠っているカードでもそのまま使えるものがあると思います。巷で人口が増加しており、一部ショップ様でも大会が開かれているこのフォーマット、限界オタクの皆様も始めてみてはいかがでしょうか?