かもめ亭(離れ)

大地から、大気から、やりがいを摂取しよう!

かもめ亭23 カバレージ 準々決勝 さいか(ライトロード)VSまも(エレキ)

遊戯王史上稀に見るメタゲームの変遷が速く、トーナメントプレイヤーに様々な要求を課して来た2016年。


そんなものは全く意に介さず相変わらず2012年9月環境を行っている大会があった。(かもめ亭)


今回も様々な個性あふれるデッキが表れ、見事予選を勝ち抜いた2名の対決を僭越ながらレポートさせていただくこととしよう。

●6月のかもめ亭チーム戦において個人6-1をマークし今回も悠々予選を勝ち抜いた”さいか”。≪ライトロード・ビースト ウォルフ ≫を「ズッ友」と形容するが今回の落ち方は如何に。予選で見せた≪光の援軍≫から≪ライトロード・ビースト ウォルフ≫2枚落としを今回も達成したいところ。

●誰もが予想しなかったデッキタイプ【エレキ】を操り、その異質だが計算されつくした戦略を武器に予選通過”まも”。【エレキ】の強さを見せつけたいと本人は語る。個々のサイズは小さいがコンビネーションと知恵で戦うデッキ、この試合でも巧みなプレイを見せつけていきたい。

【1ゲーム目】

・選択権はまもが取得し後攻を選択

さいかはカードを1枚伏せる。まもは≪エレキングコブラ≫を召喚しそのまま攻撃を行う。攻撃がヒットすれば≪エレキングコブラ≫の効果で仲間を手札に呼べるところであったが、さいかは≪ブレイクスルー・スキル≫でこれをカット。ダメージ1000を与えるに留まる。

先制攻撃を浴びたさいかは≪大嵐≫でまもの伏せを奪い取ろうとするも≪和睦の使者≫が表れこのターンはライフを奪えず。続けて≪ソーラー・エクスチェンジ≫でドローと墓地を肥やす。さらに≪光の援軍≫で≪ライトロード・マジシャン ライラ≫を呼び寄せる。この時のコストで≪ネクロ・ガードナー≫が落ち、さいかの防御力が少し上がった。

さいかのカードラッシュは止まらない。肥やした墓地のモンスターを除外し≪カオス・ソルジャー-開闢の使者≫を繰り出す。その効果で≪エレキングコブラ≫を光の彼方へ追放。エンドフェイズに≪ライトロード・マジシャン ライラ≫で2枚目の≪ネクロ・ガードナー≫が墓地へ。

対するまもは≪Okaサンダー≫から≪エレキリン≫と繋ぎ攻撃をしかけるも先ほどの≪ネクロ・ガードナー≫により阻まれてしまう。負けじと≪輝光子パラディオス≫を呼び出し≪カオス・ソルジャー-開闢の使者≫を無力化。

さいかもこれにはたまらず守備体制を取らざるを得なくなりエンド、しかしまもも≪輝光子パラディオス≫の攻撃を≪ネクロ・ガードナー≫に護られてしまいお互い決め手がないままターンが経過する。

ところが「ズッ友」降臨。≪ライトロード・マジシャン ライラ≫の導きに応えるは≪ライトロード・ビースト ウォルフ≫2100の攻撃力は戦闘面で大きな戦力である。≪輝光子パラディオス≫を≪No.50 ブラック・コーン号≫の砲弾の餌食にされまもはピンチに、≪威嚇する咆哮≫するも≪ラヴァルバル・チェイン≫から3枚目の≪ネクロ・ガードナー≫を補充され攻撃が届かず・さらにさらに追加の≪ライトロード・ビースト ウォルフ≫まで現れ万事休す。

さいかのライトロードモンスターの猛攻に耐えきれずまもは力負け


さいか1-0まも

【エレキ】の得意技は直接攻撃と≪エレキリン≫で相手を麻痺させた後の妨害を無視した展開戦術であるため≪ネクロ・ガードナー≫でカットされ続けたのが明暗を分けた。

「ズッ友」ウォルフの2100も非常にプレッシャーとなる。エレキリン+≪禁じられた聖槍≫でも捌けず、基本的にエクシーズモンスターでの対応を余儀なくされる。

【2ゲーム目】

・まもは後攻を選択

さいかは≪強欲で謙虚な壺≫スタート、捲れたカードのうち≪ソーラー・エクスチェンジ≫を加えモンスターを守備で置きエンド。

まもは≪Okaサンダー≫から≪エレキリン≫を展開、エレキリンがさいかに噛みつく。≪Okaサンダー≫で裏守備表示モンスターに殴りかかり、≪ネクロ・ガードナー≫が墓地へ≪ライトロード・ハンター ライコウ≫なら効果を発動できずに終わっていたのでこれは幸運と言える。

伏せカードを2枚置き≪セイクリッド・オメガ≫を経由し≪セイクリッド・トレミスM7≫へランクアップ。打点の低いこのデッキで2700は嬉しいところ。

さいかは≪ソーラー・エクスチェンジ≫で手札交換を行うもモンスターと2枚伏せでターンを渡す。手札が芳しくない模様。

まもの攻勢、≪セイクリッド・トレミスM7≫の効果で素材から≪エレキリン≫復活させ攻撃を仕掛けるも≪ネクロ・ガードナー≫。リバースモンスターを警戒してかトレミスは不動。

しかしさいか動けずまもはまたも≪セイクリッド・トレミスM7≫の力で≪Okaサンダー≫を呼び戻す。≪エレキリン≫で噛みつきを試みるもさいかは≪次元幽閉≫。意地でも≪エレキリン≫は通したくない。

しかしさいかの動きが重く≪ライオウ≫まで追加されピンチに、≪おろかな埋葬≫から≪ライトロード・ビースト ウォルフ≫を呼び出すも≪デモンズ・チェーン≫に磔にされ、≪エレキリン≫≪エレキングコブラ≫の攻撃でライフを奪われ≪ライオウ≫の≪ライトロード・ビースト ウォルフ≫への攻撃を≪オネスト≫で強引に倒されライフ0に、【エレキ】得意の小回りの利いた立ち回りに翻弄されてしまった。

さいか1-1まも

≪セイクリッド・トレミスM7≫を早めに処理できなかったことでカード・アドバンテージにおいて覆せない差が生まれてしまった。

【3ゲーム目】

・さいかは後攻を選択

まもは≪サンダー・シーホース≫で2枚の≪サンダー・シーホース≫を手札に呼ぶ。≪ライオウ≫を召喚して2枚の伏せカードを置くスタート。

さいかのスタンバイにまもは冷静に≪マクロコスモス≫EE04版の光り輝く大宇宙はさいかに死兆星を想起させうる。めげずに≪ライトロード・マジシャン ライラ≫を繰り出しその魔力で≪マクロコスモス≫を割りに行くがまもは≪デモンズ・チェーン≫でこれを封殺、さいか眉が少し上がり2伏せでターンを返す。

磔になった魔法使いに≪ライオウ≫が電気を飛ばすが≪聖なるバリア-ミラーフォース≫によって届かず。まもは≪サンダー・シーホース≫から2枚の≪エレキングコブラ≫を呼び出し伏せを追加。

まず≪マクロコスモス≫状態の打破。さいかは≪強欲で謙虚な壺≫を使い捲れた3枚の中に待望の≪サイクロン≫を補足するも敢えて≪ソーラー・エクスチェンジ≫をピックアップ、何か秘策が…?

秘策あり、≪月の書≫がライラを悪魔の鎖から解放する。無事≪マクロコスモス≫打破。と思った矢先

「処理後、≪マクロコスモス≫」

EE04版の光り輝く大宇宙は消えたはずーだった。また輝いた。瞬きをしながら≪ソーラー・エクスチェンジ≫で「ズッ友」≪ライトロード・ビースト ウォルフ≫を捨て手札交換。どうにか≪サイクロン≫を引き込み、1秒と立たず≪サイクロン≫発射。最悪状態は脱したがリソースの損失が痛い。

疲弊しきったさいかにまもの猛攻、≪Okaサンダー≫から≪エレキングコブラ≫がさいかに襲いかかる。

*この時点で40分経過。エキストラターンへ

エレキングコブラ≫の攻撃を1度は≪ネクロ・ガードナー≫で凌ぐも、ここでまもの【エレキ】デッキの中で誰もが知らなかったカード≪フォトン・リード≫の導きにより追撃の≪エレキングコブラ≫が現れその牙がさいかに喰いこむ。ライフ差こそまだ1000点だがまもの場のモンスターは既に3体。≪No.16 色の支配者ショック・ルーラー≫がさいかのモンスター効果を封殺。万全の体制でETを押し付ける。

しかし諦めないことがかもめ亭において勝利の近道。≪おろかな埋葬≫でコストを調達した≪カオス・ソルジャー-開闢の使者≫が最後の砦として君臨。≪No.16 色の支配者ショック・ルーラー≫を撃破しライフ差300をつけETを返す。

だがまもは返しの手札も盤石だった。≪死者蘇生≫≪Okaサンダー≫から≪輝光子パラディオス≫を召喚しその輝く剣でこのゲームに終止符を打ったのだ。

●さいか1-2まも○

≪マクロコスモス≫2枚目を打たれたことで≪強欲で謙虚な壺≫のピックアップが裏目に出てしまったゲームとなった。まもも絶妙なタイミングで≪フォトン・リード≫を打ち込み主導権を完全に奪い取れたのが大きかった。

【ライトロード】【エレキ】この環境本来の歴史では表舞台に出ていなかったデッキが好勝負を繰り広げていた。環境のメインストリームに属すデッキを選択することが必ずしも正しいとは限らないのがカードゲームをプレイすることの醍醐味ではなかろうか。

【水精鱗】【炎星】等を差し置いてこの決勝卓に駒を進めるということはそれに裏付けされた構築・プレイングが両者ともに備わっていたと言っても過言ではなかろうか。次の準決勝にも期待したいところである。